ロジザード株式会社(4391)2025年6月期決算レビュー|最高益更新も4Q利益急減の懸念

決算レビュー

1. 企業情報

  • 正式社名:ロジザード株式会社
  • 証券コード:4391(東証グロース)
  • 設立:2001年7月4日
  • 事業内容:クラウド型在庫管理システムの提供、物流・小売業向けシステム開発、導入支援、機器販売
  • 上場日:2018年8月9日
  • 資本金:3億1,800万円(2025年6月末時点)
  • 特色(詳細版): ロジザード株式会社は、物流業界および小売業界向けにクラウド型在庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)を提供するIT企業です。主力サービスの「ロジザードZERO」は、倉庫や店舗の在庫をリアルタイムで一元管理できるクラウドプラットフォームで、インターネット環境があれば端末を選ばず利用可能です。これにより、中小規模事業者から大手EC事業者まで、導入負担を抑えつつ正確な在庫管理を実現します。

 また、OMO(Online Merges with Offline)時代に対応した「ロジザードOCE」では、店舗とEC在庫の統合管理を可能にし、オムニチャネル戦略の基盤を提供しています。さらに、システム導入時のコンサルティングやオペレーション設計、現場教育などの支援事業、周辺機器(ハンディターミナルやラベルプリンタ等)の販売も手がけ、単なるソフトウェア提供に留まらない包括的な物流ソリューションを展開しています。

 顧客はアパレル、食品、医薬品、日用品など多岐にわたり、特に在庫精度が求められる業界で高い評価を得ています。継続課金型のクラウドモデルにより安定した収益基盤を確立しており、解約率の低さとアップセル余地が強みです。物流DX需要の拡大に伴い、中長期的な成長ポテンシャルを有しています。


2. 決算概要(発表日・対象期間)

  • 決算発表日:2025年8月15日(大引け後)
  • 対象期間:2025年6月期(2024年7月〜2025年6月、非連結)

3. 第3四半期累計で最高益を更新

  • 売上高:約16.34億円(前年同期比+11.3%)
  • 営業利益・経常利益:約3.59億円(+41.8%)で進捗率89.8%
  • 純利益:約2.65億円(+44.1%)、3期ぶりの最高益更新

クラウドサービスや導入支援が堅調で、収益性の高い事業構成が業績を押し上げました。


4. 通期予想と4Qの課題

  • 通期経常利益予想:4億円(前年から+15.6%)
  • 第3四半期累計進捗率:89.8%と高水準
  • 第4四半期(4〜6月)実績想定:前年同期比46.2%減の5,000万円に急減
  • 営業利益率:18.3% → 9.2%に低下

第4四半期の利益急減は一時的要因の可能性もありますが、注視が必要です。


5. 事業構造と収益モデル

ロジザードは在庫管理や店舗管理などを支えるクラウドWMS「ロジザードZERO」、OMO対応「ロジザードOCE」、導入支援、機器販売などを展開。

利益の柱はクラウドサービスで、安定収益源となっています。一方、機器販売は前期の反動で減少傾向。


6. 投資スタイル別評価

投資スタイル評価コメント
中長期投資クラウド基盤による安定成長。最高益更新の実績あり。
配当重視配当利回り1.17%と低めだが安定性は評価可能。
株主優待狙い×優待制度なし。
バリュー投資PER15倍前後で割安感あり。
成長投資4Q利益急減が短期的成長期待にブレーキ。

7. 総評と投資判断

ロジザードは、第3四半期累計で見事な最高益を達成し、クラウドサービス事業の強みを証明しました。ただし第4四半期の利益急減は、足元の成長モメンタムに不透明感を与えます。

中長期での安定成長を狙う投資先としては魅力がありますが、短期トレードには慎重さが求められます。


8. 参考資料・引用元

  • 株探 決算速報
  • minkabu.jp 決算情報
  • kabutan.jp 業績ニュース
  • Yahoo!ファイナンス 企業情報

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