イーサリアム(ETH)が、2021年11月以来となる約4年ぶりの最高値を更新しました。ドル建てでおよそ4,880ドルに達し、従来の記録を上回っています。
今回の動きは単なる暗号資産相場の乱高下ではなく、ETF流入や機関投資家の参入といった事実に裏打ちされた「市場構造の変化」を示すものです。
最高値更新の概要
- 価格水準:2021年の最高値(約4,867ドル)を突破し、新記録を達成
- 直近の上昇率:24時間で+14〜15%、年初からは+45%以上の上昇
- 市場の位置づけ:ビットコインの連続高値更新に続く「キャッチアップ上昇」として注目を集めました【WSJ, MarketWatch】
背景となる要因
FRBの利下げ期待
米ジャクソンホール会議で、パウエル議長が9月の利下げを示唆。これがリスク資産全般への資金流入につながったと報じられています【WSJ】。
機関投資家の参入
著名投資家ピーター・ティールらがETHへの投資を拡大。複数のベンチャーキャピタルや企業が、財務資産としてイーサリアムを保有する動きも確認されています【WSJ】。
ETFへの資金流入
米国で承認されたスポット型イーサリアムETFには、数十億ドル規模の資金流入があり、価格上昇を後押ししました【Cointelegraph】。
市場が変化しているポイント
今回の最高値更新は、価格そのものよりも「市場の質的変化」が注目されます。
観点 | 従来 | 現在 |
---|---|---|
資産の位置づけ | 投機的な暗号資産 | ETF・機関投資家の資金が入り「資産クラス」としての認知が進む |
投資家層 | 個人中心 | 機関投資家・企業財務にも広がり |
市場構造 | 取引所主導 | DeFi、ステーキング、ETFなど多様化 |
この変化は、過去の暗号資産バブルとは異なり、制度的な枠組みと資本市場の動きを背景にしている点が特徴です。
まとめ
イーサリアムが約4年ぶりに最高値を更新した背景には、FRBの利下げ期待、ETFを通じた資金流入、機関投資家の参入といった具体的な事実があります。
同時に、市場構造の変化──投資家層の広がりや資産クラスとしての認知──が進んでいることも明らかになりました。
今回の動きは、単なる価格の高騰ではなく、暗号資産市場における位置づけの変化を示す事例といえます。
引用文献
- The Wall Street Journal「Ether surges after Powell speech renews rate-cut hopes」(2025年8月22日)
- The Wall Street Journal「Peter Thiel Leads Pack of Investors Piling Into Ether」(2025年8月22日)
- MarketWatch「What’s driving ether’s ‘catch-up trade’ as it nears record high」(2025年8月22日)
- Cointelegraph「ETH hits new highs as Fed turns dovish, ETF inflows resume」(2025年8月22日)
コメント