2025年9月26日引け後、多くの企業が決算発表や業績修正を行いました。本記事では、決算発表銘柄・上方修正銘柄・下方修正銘柄を三部構成で整理し、さらにセクターごとに投資家が注目すべきポイントをまとめます。
決算発表銘柄(9月26日)
この日に正式に決算を発表した銘柄は以下の通りです。
銘柄(コード) | 内容 | ポイント |
---|---|---|
ハローズ (2742) | 上期経常3%増益で着地 | 地方スーパーの安定成長、効率化効果 |
DCM (3050) | 上期経常2%増益で着地 | ホームセンター大手、小幅ながら増益 |
パレモHD (2778) | 上期経常30%減益で着地 | 小売環境の逆風、消費マインド低下 |
コメント
- ハローズ(小売/スーパー) 食品スーパーとして堅調な成長を継続。物流効率化や原価管理が寄与しており、ディフェンシブ性が高い銘柄です。長期投資家にとって安定的な配当・利益成長を期待できる内容でした。
- DCM(小売/ホームセンター) 小幅ながら増益着地。DIY需要や住関連消費が底堅く、競争の激しい業界で利益を確保しました。インフレ下での価格転嫁力が今後の注目点となります。
- パレモHD(小売/アパレル・雑貨) 30%減益と厳しい数字。小売市場の競争激化や消費マインド低下が響きました。株価的には割安感が出やすい局面ですが、反転にはEC強化や店舗戦略の刷新が必要です。
上方修正銘柄(9月26日)
好調な業績を背景に、業績予想を引き上げた銘柄です。
銘柄(コード) | 修正内容 | 背景要因 |
---|---|---|
第四北越FG (7327) | 上期経常32%上方修正、通期も上方、配当増額 | 金利収益増、貸出・証券運用改善 |
ニューテック (6734) | 上期経常30%上方修正、5期ぶり最高益へ | サーバー需要増、効率改善 |
オークワ (8217) | 上期経常91%上方修正 | 仕入れ原価低減、販管費抑制 |
神奈川中央交通 (9081) | 上期経常45%上方修正 | 人流回復、自動車整備収入増 |
魚力 (7596) | 上期経常43%上方修正 | 鮮魚需要の堅調、外食回復 |
近鉄百貨店 (8244) | 通期を一転増益に上方修正 | 訪日客増、百貨店需要回復 |
セクター別コメント
金融
- 第四北越FG 金利上昇による利ざや拡大で大幅上方修正。配当増額もあり、インカム投資家にとって魅力が高まりました。今後は信用コストの動向に注目です。
IT・中小型株
- ニューテック データセンター需要やIT投資の拡大を背景に、5期ぶりの最高益予想。値動きが軽く、短期資金の流入で株価変動が大きくなる可能性があります。中長期的には海外展開の成否が焦点。
小売・流通
- オークワ 食品スーパー業界の中で利益率改善が際立ちます。大幅な上方修正は効率化の成果ですが、消費マインド悪化には引き続き注意が必要です。
- 魚力 鮮魚需要と外食需要の回復が寄与。食品関連銘柄としての安定性が光りますが、物流コストの上昇が懸念材料です。
- 近鉄百貨店 一転して増益に。訪日客需要と百貨店復調の流れを象徴する修正です。消費回復が続くかどうかが次の焦点です。
交通
- 神奈川中央交通 人流回復の恩恵を受け、さらに自動車関連収益も好調。交通株の中ではディフェンシブ性があり、安定志向の投資家に向く内容です。
下方修正銘柄(9月26日)
業績予想を下方修正した銘柄も複数ありました。
銘柄(コード) | 修正内容 | 背景要因 |
---|---|---|
旭有機材 (4216) | 通期経常16%下方修正 | 原材料費上昇、需要減少 |
科研薬 (4521) | 通期経常53%下方修正 | 研究開発負担増、パイプライン遅延 |
グラファイト (7847) | 上期経常67%下方修正、通期も減額 | 需要減退、競争激化 |
セクター別コメント
化学・素材
- 旭有機材 原材料価格上昇が直撃。需要減速と重なり、収益性悪化が鮮明です。価格転嫁力の有無が今後の株価材料となります。
- グラファイト 需要鈍化に加え、競争激化で大幅減額。成長ストーリーが崩れ、株価はネガティブな反応が想定されます。新規市場開拓やコスト削減が急務です。
医薬品
- 科研薬 研究開発費の増加と新薬パイプラインの遅れが大幅下方修正につながりました。投資家にとってはリスクの高い局面で、次の決算や新薬承認の進捗が鍵になります。
全体の傾向と投資家視点
- 決算発表銘柄 食品スーパー・ホームセンターが堅調。ディフェンシブ株として安定感を確認できましたが、小売の一部では減益も目立ちます。
- 上方修正銘柄 金融・小売・交通で大幅な改善が相次ぎました。サプライズ度が高く、短期的な株価の物色対象となる可能性があります。
- 下方修正銘柄 医薬・化学セクターに集中。研究開発リスクや原材料高が依然として重荷であり、当面は株価の上値が重くなる見通しです。
投資家は「数字の良し悪し」だけではなく、修正の背景や持続性を見極めて投資判断を下すことが重要です。
まとめ
9月26日の決算・業績修正は、セクターごとの明暗が鮮明になった一日でした。
- 決算発表:生活密着型企業の安定性が光る
- 上方修正:金融・小売・交通でサプライズ好材料
- 下方修正:医薬・化学で逆風継続
投資家は、セクター別のトレンドを意識しながら、短期トレードか中長期投資かのスタンスに応じて銘柄を選別することが求められます。
コメント