はじめに
投資を始めたいと思ったとき、誰もが最初に抱く疑問があります。
それは「いくらから投資を始めればいいのか?」というものです。
結論から言えば、100円からでも投資を始める意味は十分にあります。
ただし、「投資スタイル」によって考え方はまったく異なります。
本記事では、投資のスタート金額に関する基本的な考え方と、初心者が混同しがちな「長期投資」と「短期投資」の違いについて整理します。
100円からでも意味がある理由
現在の投資信託は、ほとんどが100円から購入できます。
例えば、楽天証券やSBI証券、マネックス証券などのネット証券では、つみたてNISA対象ファンドを100円から積み立て可能です。
「たった100円で意味があるのか?」と思うかもしれませんが、少額投資には次のような大きなメリットがあります。
- 値動きに慣れられる実際に自分のお金が増減するのを見ることで、相場の変動に感覚的に慣れていきます。
- 心理的な壁を下げる「投資はお金持ちだけのもの」という思い込みをなくし、日常の延長で資産運用を意識できるようになります。
- 継続の第一歩になる金額は小さくても、続ける習慣さえ作れば、後から投資額を増やすことが容易になります。
👉 投資は「まず経験してみること」が大事。100円でも実際にやってみると、その意味を実感できるはずです。
長期投資はタイミングを計らなくていい
ここで言う「長期投資」とは、信託報酬が低いインデックスファンドをコツコツ積み立てる投資を指します。
代表的なファンドは、
- eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー、通称オルカン)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
どちらも低コストで分散投資が可能で、つみたてNISAの対象商品でもあります。
長期投資の本質
- 短期的な株価の上がり下がりを読む必要はない。
- 「いつ買ったか」よりも「どれだけ市場にい続けたか」がリターンを決める。
- 過去のデータでは、S&P500は暴落を何度も経験しながらも、長期的には右肩上がり。
つまり、長期投資では「市場にいる時間」が最も重要なのです。
ドルコスト平均法で淡々と積み立てを続けることで、タイミングを計らずともリターンが期待できるのが強みです。
短期・中期投資と混同してはいけない
ここで注意したいのは、短期投資や中期投資、高配当株投資と長期投資を混同してはいけない、という点です。
- 短期・中期投資、高配当投資は タイミングが命。
- 買う時期や売る時期を誤ると、大きな損失を被る可能性があります。
- 一方で、インデックスを積み立てる長期投資は、タイミングを気にする必要がない。
👉 投資という言葉は同じでも、考え方が全く違います。
この記事で解説している「長期投資」とは、あくまでオルカンやS&P500のような優良インデックスファンドを積み立てる投資法です。
貯金とのバランス
「いくらから投資を始めるべきか?」を考えるうえで忘れてはいけないのが、貯金とのバランスです。
生活防衛資金を先に確保
- 投資は余剰資金で行うのが大前提。
- まずは3〜6か月分の生活費を現金で確保しておくことが安心につながります。例:月20万円の生活費 → 60〜120万円を生活防衛資金として貯金。
その上で投資へ
- 生活防衛資金があれば、株価が下がっても「生活費が足りないから解約する」という事態を防げます。
- 貯金が土台にあることで、長期投資を落ち着いて続けられるのです。
まとめ
- 投資は100円からでも意味がある。値動きに慣れることが第一歩。
- 長期投資=オルカンやS&P500など低コストのインデックスファンドをコツコツ積み立てる投資法。
- 長期投資ではタイミングは不要。市場に長くいるほどリターンの期待値は高まる。
- 短期投資や高配当投資はタイミング重視なので、混同してはいけない。
- 投資を始める前に、生活防衛資金(3〜6か月分)を貯金しておくことが安心につながる。
👉 「投資はお金が貯まってから始めるもの」と考える必要はありません。
100円からでも経験しておくことが、将来の大きな資産形成につながります。
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